日本人が英語で数字が弱くなるのは当然じゃないかと言う提言
英語を勉強し始めて早10年といったところか。英語にはだいぶ慣れて、ロンドンにある大学で修士を得ることもできた。英語力はまだまだ改善の余地があるが、日常会話は卒なくこなせるレベルまでは到達できたと思う。
しかし数字が出てくると途端に英語が難しく感じる。単純な 2 million people とかでも理解がコンマ何秒か遅れてしまう。
インチやフィートなど馴染みのない単位が出てくると自体はより悪化する。その値の理解に意識を奪われるあまり、後ろの数単語を聞き逃してしまうことだってあり得る。
そして一番困るのがお金のやり取りのとき。
これって当然のことじゃないのか。数字と感覚の関係性からこの問題を紐解いてみたい。
アメリカのヤード法
最近、英語力向上の一環で英語で数学を学び直してる。数学が元からあまり強くなかったし、自由時間も増えたし、ちょうど良い機会だと。
そこでアメリカでよく使われる距離の単位の概要を目にした。ざっくりとこんな感じ。
- 1 inch = 2.54 centimeter
- 1 foot = 12 inches
- 1 yard = 3 feet
- 1 mile = 1760 yards
いやそれはわからんわと。ゴルフでよく聞くヤード。1ヤードが約90センチメートルだとすら知らなかった。
ゴルフをする人でもドライバーで200ヤード飛距離が出たときに180メートルくらい飛んだ、と脳内変換する人がどれほどいるだろうか。そもそも何割の人が1ヤード≒90センチだと知ってるだろう。
でも知ってなくても大丈夫。みんな感覚で捉えてるから。これが冒頭で述べた感覚のこと。
世の中に数字は溢れているけど、大体はみんな感覚で捉えてる。
アメリカ人はみんな計算の鬼?
アメリカでは身長をフィートとインチを使ってよく表す。 5ft 10 in とか。じゃあアメリカ人はみんな数学に長けてて、 5ft 10in と聞いた瞬間「 ≒1.78cm 」と計算しているわけじゃない。
彼/彼女らにとって「 5ft 10in = 5ft 10in 」なのだ。もっというと「大体あれくらいの高さか」なのだ。要は感覚値。
翻って私たちメートルユーザー。数字に慣れていないというより、その単位に慣れていない。感覚値が備わっていない。
だからついつい計算しちゃう。そもそも不慣れな言語で、さらに会話の中で計算させられたら、それは理解が追いつかない。簡単な話。
お金の計算に手間取る理由は数字の繰り上げかた+1ドル≒110円、1ポンド≒135円
アメリカやイギリスで暮らすときに避けて通れないのがお金の勘定。
そこで感覚値の問題がまた出てくる。
ドル、ポンド、そしてユーロなど、結構値が似ている。1ドル≒0.8ポンド。だからアメリカ人にとってポンドは「ちょっと割り増し」感。イギリス人はドルを「ちょっと割安」感。
日本人にとってドルは「まあ×100くらいか」、ポンドは「×100して、さらにプラスでポンポンっくらい。
我々の方が「ちょい増し」「ちょい安」よりは計算が必要。
さらに大きいのが英語と日本語の数字の繰り上げ方。
感覚的に、英語は 1,000,000,000 とゼロが3つずつ増えるのに対し、日本語は1,0000,0000,0000 と4つずつ増える。だから
- 万= ten thousand
- 億= one hundred million
- 兆 = 10 billion
ややこしい。
逆に
- one thousand =千(わかる!)
- one million = 100万
- one billion = 10億
ややこしい。
ただ1つ言えるのは、イギリスに1年間くらい住んで、お金の勘定のときにわざわざ日本円に計算しなくなった。これは感覚値を手に入れたのかもしれない。
逆に最近は外国人と英語で数字の話をするときに少し混乱する。
"Yeah, I bought it for about fifty thousand yen!"
ん、、5万かと。
人の感覚ってすごく役立つけど、同時にすごく恐い。