ベビーカーは "pram"!? マスクは "surgical mask"。マスクの方はわざわざ覚えなくてよくない?
table や note 、 smart phone など日々多くの英単語が流入しては日本語として使われる昨今。それら英単語を組み合わせていわゆる和製英語が生まれることも珍しくありません。ベビーカーとかコンセントとかがその代表例です。
一方で、多少は本来の英単語や英語表現と異なるものの、別に日本式の言い方でも伝わるんじゃない?というものも散見されます。
そう、最近よく見る「マスク( mask ) → surgical mask 」とか「 go to travel → go on a trip 」もこの類です。
mask なんてほぼ100%通じるし、 go to travel も言いたい意味合いは大体伝わります。ならいいじゃん、って感じです。
mask が実際に BBC のニュースで使われている例やベビーカーとコンセントの英語表現など、さらに詳しく見ていきましょう。
マスクは英語でも mask
mask は英語でも mask と言います。 BBC のニュースでも mask だけで表現しています。
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Masks for Paris
Promising to do everything to avoid another widespread lockdown, the prime minister said wearing a mask would become mandatory in the capital.
パリでもマスク
大規模なロックダウンの再行使を避けるためにはどんな手段も厭わないとし、(フランスの)首相はパリではマスク着用が義務化されるだろう、と述べた。
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出典
この BBC のニュースでは mask を一度も surgical mask と表記していません。
もちろん mask は「お面」という意味合いで使われることもあります。なので mask というと
・お祭り、的な文脈→お面
・日常生活や風邪、的な文脈→マスク
として捉えられる訳です。別に日本語でいういわゆる「マスク」は surgical mask でないと伝わらないなんてことは絶対にありません。
go to travel は go to travel でも通じる
go to travel キャンペーンが打ち出された当初、英語できる人たちは「 go to travel なんて言い方しない」とこの表現を鼻で笑う様な感じで扱いました。
でもそのとき私はこう思いました。「いや、あなた達も1度や2度は go to travel って言ったことあるでしょ」と。
少なくとも英語圏で育った英語ネイティブではない限り、 「旅行に行く」「旅行する」を go to travel と表現することにあまり違和感を覚えない人が大半です。だってグラマー的にあってるから。
確かに表現としては go to travel よりも go on a trip の方が自然な英語表現です。
でも英語で「 trip vs travel 」みたいな動画や記事が多く見られるところから察するに別に日本人以外の例えばフランス人やブラジル人など、つまりネイティブ以外の人にはこの trip と travel は使い分けが難しい英単語な訳です。
go to travel が不自然だと言う非ネイティブの英語上級者は、 go to travel が不自然だと言うことを「頭では理解している」だけで、実際に「なんかわかんないけどそうは言わないよね」の様なネイティブ的な感覚があるかと言われると甚だ疑問です。
ベビーカーは pram もしくは stroller
ベビーカーはイギリス英語では主に pram 、アメリカ英語では主に stroller と表現されます。
ベビーカーに関しては、「日本語では乳母車をベビーカーと呼ぶ」ことを知っている外国人にしかほぼ通じません。
またコンセントはイギリス英語では socket 、アメリカ英語では ( power ) outlet と言います。
これもベビーカーと同様にコンセントの和製英語としての意味を知っている人にしか通用しません。
私個人の意見としては「和製英語 一覧」などと検索しそれらを網羅的に覚えておく必要はないと思います。それより会話の中で通じなかったらその場で「コンセント 英語」調べて
Oh, I mean "socket", not "consent".
「(プラグを差し込む)『コンセント』って言いたかったんだ。『同意』って意味じゃなくて」
なんて形で言い直せばOKです。
世界の共通言語としてその地位を確率した英語。英語ネイティブ以外も日々英語を使っているのでネイティブ目線で「自然じゃない表現」は五万とあります。
※例えば to break the record 「記録を打ち立てる」の意味での break はオランダ人にとっては不自然だそうです。オランダ語的には break はコップなど実態のある物を壊すときに使うので、記録などは壊せない、つまり「いやわかるけど不自然」だそうです。
できるだけ自然な表現を身に付けれる様にネットフリックスでドラマや英語を見る、英語で雑誌や新聞を読むことは素晴らしい心がけです。
ただし「自然な表現」呪縛に囚われてしまうと英語でのアウトプットが億劫になってしまうことも認識しておきましょう。