英語版ポケモン図鑑で英語に触れよう #60「ニョロモ」
英語は理解できる範囲のレベルに触れ続ければ、徐々に慣れて絶対にできる様になります。
こちらが海外版公式ポケモン図鑑
ポケモンごとの名前、説明で使われている英語を通して、さらに英語に親しんでいきましょう。
ニョロモ "Poliwag"
ニョロモの英語名は Poliwag です。英名の由来は
polliwog 「おたまじゃくし」
wag 「しっぽをふりふり」
通常、おたまじゃくしは tadpole と表現します。ただアメリカでは polliwog ともいうそうです。初めて見ました。
wag は尻尾を振ることを指します。犬が尻尾を振っているのを思い浮かべてみてください。
Look at him! He's wagging and so cute!
見て、尻尾振ってる。ちょー可愛い
こんな感じです↓
ニョロゾの英語名は Poliwhirl (polliwog + whirl 「うずまき」)、ニョロボンは Poliwrath (polliwog + wrath 「怒り、憤怒」)。
whirl はまあまあ出て来ます。 wrath の方は日本語訳の「憤怒」の様に、普通の会話ではまず出てきません。
ニョロモの説明(シールド版)
In rivers with fast-flowing water, this Pokémon will cling to a rock by using its thick lips, which act like a suction cup.
※以下参照
日本語版ポケモン図鑑公式の説明文はこちら。
「ながれが はやい かわでは ぶあつい くちびるを きゅうばんのように いわに くっつけて しがみつく。」
参照 ニョロモ|ポケモンずかん
説明で使われている英単語
- cling to ~ -〜にしがみつく
- suction cup -吸盤
cling to ~ で「〜にしがみつく」を意味します。「しがみつく」 イメージではむしろ hold on to ~ や hang on to ~ の方が日常的に使われる印象です。
Hold on to the handle, please.
取手につかまってください
cling はむしろ clingy 「かまってタイプの(人)」の という形容詞の方がよく使われます。
He is so clingy.
いつもベタベタしてくるの
suction cup の意味は「吸盤」です。 suck ~ 「〜を吸う」、 cup 「皿(状の形の物)の組み合わせです。
suck はなぜか「全然ダメ」という超マイナスなイメージでよく使われます。
It sucks.
マジ最悪
ただこの it sucks. 、「ダメ」というイメージを伝えるいろんな場面で使われるので、全てのケースに当てはまる和訳は存在しません。「ダメ」な印象だと覚えておけばOK。
説明で使われている英文法
- by 動詞ing -〜することによって
- 文の構成
In rivers with fast-flowing water, this Pokémon will cling to a rock by using its thick lips, which act like a suction cup.
by 動詞ing で「〜することによって」を表現できます。よく使われるし、非常に重宝する表現方法の1つです。
I got relieved by telling him the truth.
彼に真実を伝えることでスッキリした
上級者向けには by 人 動詞ing なんて表現もあります。こちらも会話では結構出てきます。
He got sad by me telling him the truth.
私が真実を伝えたことで、彼は悲しんだ
ニョロモの英語説明文で着目したいのは、簡単な英単語、英文法を使ってすごい豊かな表現をなしえている点です。
「流れの早い川では、吸盤の様な唇を使って岩にひっついている」
日本人であれば何の気なしに作れるこんな文。英語で10秒以内にパッと作れる日本人は果たしてどれくらいいるでしょう。私だって100%の自信はありません。
川(の中)では → in waters
岩にくっついている cling to a rock
分厚い唇 → thick lips
こんな当たり前に思える表現でも日本人が体得するには一苦労です。「川では」は in ? もしくは at か on ?を使えばいいの?と疑問に思います。
「川の中だから in でしょ」という声が聞こえてきます。おっしゃる通りです。ただネイティブが「川の中だから in 」を発想しているかと問われると甚だ疑問です。
「空に」は英語で in the sky 。でもドイツ語では am Himmel (直訳すると at the sky )なんです。別にわざわざ考えているとかではなく、「みんなそう使っているから自分もそう使っている」んです。
日本語でも「空に鳥が飛んでいる」というとき、「日本語では空間を表すときは『で』、平面は『に』、だからこの場合は『に』を使うんだ、『で』は間違いだ」とか考えないでしょう。同じことです。
外国人が日本語を勉強するときに最後まで難しいのが「てにをは」などの助詞。日本人が苦労するのも前置詞や前置詞を含んだ動詞句です。この辺は何度もネイティブの英語に触れて肌感を付けるのが理解するのに最善の方法なのです。
英語を理解するためには別に難しい単語とか文法とかは必要なし
関係代名詞と受け身、あとは文と文をくっつける and とか when 、but とかさえ身についてしまえばそれ以上複雑な英文法は実はあまり必要ありません。
英単語に関しても同じです。 store とか back とか日常よう使われる単語の方が ponderous 「重々しい」や endorsement 「承認」なんかより本当はよっぽど大切なんです。 IELTS や TOEFL など難しい英語のテストで高得点が必要、という人以外は基本無視でいいはずです。
よく使う単語や表現、そして文法をただ知ってるだけでなく、使いこなせる様にする。そのためには簡単で楽しい英語のコンテンツに触れ続けることが一番です。