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-使える英語をお知らせします-

in the sky 「空に」だけど、ドイツ語だと at the sky? 英語の前置詞のイメージ

認知言語学って知ってますか。

 

言語よりまずイメージが先行し、そのイメージを元に言語が構成されている、的な発想の言語や文法理解です。

 

例えば動いているイメージだったら ~ing 。

I am playing football with my friends. 「サッカーをしている

 

つまり文法を文法ありきで学ぶのではなく、イメージに合わせて文法、というか英文の形を学んでいく感じ。

 

確かに日本語だって伝えたいことが感覚的に思い浮かんで、それを日本語で伝えているに過ぎないのだから、

イメージをそのまま英語にできれば、特にスピーキングやライティングに効果的な方法だと思える。

 

 

ただ、気をつけなければいけないことが2点ほど。

1. 全てが「イメージ→文法」という風に割り切れないこと。

2. 言語ごとに世界の見方が違うこと。

 

この問題をわかりやすくするために、今勉強中のドイツ語との関連で紐解いていきたい。

 

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The apple is in the bag. 

カバンにりんごが入っているイメージ。

 

The apple is on the table. 

テーブルにりんごが乗っているイメージ。

 

 in は入っているイメージで、 on は引っ付いているイメージ。

※なので「絵画が壁にかかっている」は The drawing is on the wall. です。


わかりやすい!確かにある程度のレベルまではこんな感じでイメージを一般化できます。

 

それでは「空に月が浮かんでいる」 は?

 The moon is in the sky. 

 

空は入れ物ですか、と。

 

 

じゃあドイツ語で「空に月が浮かんでいる」は?

Der Mond ist am Himmel. 

 

この am (an) は「引っ付いている」のようなイメージをもつドイツ語の前置詞です。

ただ英語の場合は点で引っ付いていると at 、面で引っ付いていると on ですが、ドイツ語は引っ付いているなら an っぽいです。

※私のドイツ語はまだまだです。

 

なにはともあれ、ここで疑問が浮き上がります。空は空間じゃないのかと。

ドイツ語にとっては空は面のイメージなんでしょう。だから in じゃなくて on 。つまりドイツ語では an 。

 

 

私が言いたいのは、じゃあ言語に合わせて

「空を空間のように捉えましょう」とか「空を面で捉えましょう」とか、そういうことではなくて、 in the sky で慣れちゃった方が早いですよ、ということです。

 

英語ネイティブだって別に空間のように捉えている訳ではないし、単に in the sky というフレーズで覚えているだけ。

 

 

認知言語学的捉え方を否定するつもりは全くありません。確かに in 「入っている」、 on 「引っ付いている」は汎用性が高く、覚えておいて損はないイメージです。

 

ただし、in = 中のイメージにあまりに固執するあまり、

in the sky の空を空間のように捉えましょう、 とか

in three hours 「3時間後に」を時間を空間的に捉えましょう

 

みたいに無理やりこじ付け出すと、むしろ自体をややこしくしかねません。

 

「 in は入っているイメージです。 in the sky ?まあ例外もあるよね。 in an hour ?まあ例外もあるよね」「ただ例外があるからといって in =中のイメージ自体を否定しなくていいですよ」

 

くらいやんわり捉えちゃえばいいです。

というか英語上級者レベルまでくれば、あとはもう前置詞もほぼ感覚です。いちいちイメージすらしません。

日本語ネイティブで日本語使うときにわざわざ「に」と「は」、「を」「へ」とかの助詞ごとのイメージを思い浮かべている人いたら教えてください。

 

 

一般化できるところはそのイメージを最大限活用し、できないところは個別に覚えていく。これでいいではありませんか。