翻訳すると、英語⇔日本語の長さが半分くらいになる謎。そして教訓へ
世界の共通言語、英語。
英語でコンテンツを楽しむと世界の色々な言語を耳にする機会が増えます。
例えば、スペイン語話者がコメントしている映像が流れる。もちろん英語字幕付きです。スペイン語わかりません。
NHK World を見てても、日本人のコメントに英語字幕が付いたり、合わせて英語訳が読み上げられたりします。
でも不思議、なぜかスペイン語とか日本語のセリフと英語訳の長さがどうも不釣り合いなのです。英語の方が短い。
これは英語→日本語のときも起こります。つまり翻訳するとセリフの尺が短くなりがち。なぜ?
そしてここからわかる英語学習における教訓とは?
母語で話すときには伝えたいこと以外のいろんな情報も付け足している
翻訳前の言語が長くなる理由は簡単。
母語だと、
「これはですねーーー」みたいに間をとったり、
「つまり、結局は」みたいに同じ趣旨のことを繰り返したり、
「思うんだけど」「なんか気分的には」みたいに I think の類を挟んだりします。
例えば
「この表が示すことはですね、、、つまり、結論的に言うと今期の我が社の売り上げ順調だということを、明確に表していると自信を持ってお伝えできます」
サクッと英訳すると
"This grash shows that our sales in this quarter is great."
「この表が示すのは、今期の我が社の売り上げが順調だということです」
くらいなものです。
英訳されたもの以外、言葉自体の意味はあまり大切ではない雑情報なのです。
雑情報を使って、語気を少し弱めたり、相手の表情の時間を作ったりとか、自分の考えをまとめる時間を作ったりします。大人のコミュニケーションを円滑に進めるためには不可欠。
雑情報は無駄情報じゃない
「この表が示すことはですね、、、つまり、結論的に言うと今期の我が社の売り上げ順調だということを、明確に表していると自信を持ってお伝えできます」
「だらだらしてる」と感じるかもしれません。
ただ自分が話しているのを録音したらわかるように、割と母語だと誰でもこんなもんです。
上司との会話とか重役会議とか、人の顔色を伺いながら話すときに限ってそうです。
物腰柔らかく聞こえるよう、伝えたい情報以外も入れて雰囲気をコントロール。
英語勉強すると、母語での会話ではどうやって伝えるかにすごく気を配っていることに気付かされます。
※会話ベースじゃない、例えば書籍などの翻訳は文章の長短にそこまで変化ありません。元から雑情報が少ないからです。もちろん翻訳家の方が長さもコントロールしています。プロ!
率直に思っていることだけを伝えることを考えるとスピーキングがスムーズに
子供同士の会話って結構表現が直接的です。
「水!」
「これ欲しい!」
「公園行きたい!」
英語のスピーキングに困っているようなら試してみる価値あります。
最悪 Please さえ付ければ、そこまで強引な印象にはなりません。
利点は2つ。
1: 雑情報のための表現自体を考えなくてよくなる
「知っての通り」ってなんて言うんだっけ?「私の知る限り」ってどう言うの?
とか気にしなくてよくなる、ということです。
2: 伝えたいこと自体に集中できる
「やんわり伝えよう」「どうすればやんわり伝わるかな」
などと考えるとその分、伝えたいこと自体に割ける集中力が減ってしまいます。
"I want to to go park with you. Do you want?"
「公園一緒に行きたい!行きたい?」
が伝えたい内容だとします。これをスムーズに言えるところからまず始めましょう。色々な脚色は後から。
会話に親和性を求める日本人にはむしろ難しいアプローチです。
だから気持ちをダイレクトに伝えたくない人は無理する必要はありません。
ただスピーキングに困っていて「ダイレクトアタックありかな」と思うならチャレンジし甲斐あります!