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-使える英語をお知らせします-

鶏が先か卵が先か "Which came first: the chicken or the egg? 

卵が先か鶏が先か

このことわざを英語ではどの様に表現するのでしょうか。

 

答えは "Which came first: the chichen or the egg?"

参照:

en.wikipedia.org

 

そもそも「鶏が先か卵が先か」の意味はなんでしょう。

それは「どっちが先に起こったかわからない」的なことです。

 

「オーラってどうやって身に付けるの?→勝者になることさ」

「勝者にどうやってなるの?→オーラを身に付けることさ」

 

みたいな論理構造が堂々巡りになってしまっているのがその典型です。

 

 

「鶏が先か卵が先か」の意味はさておき、

英語では "Which came first: the chicken or the egg?" 

という気づきが実は英会話上達につながります!

 

というのも会話の本質「何が伝わって、何が伝わらないのか」を理解できるからです。

 

他のことわざ英語 version も含めて、なぜ英会話上達につながるのかを考えてみましょう。

 

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伝わるのはどっちのことわざ?

次のうち、英語に直訳したら伝わりやすいのはどちらのことわざでしょう。

A. 溺れるものは藁をも掴む。

B. 肉を切らせて骨を断つ。

 

 

 

 

 

答えは A です。 A を英語表現は "A drowning man will clutch at a straw." 。

そのまんまです。ちなみに「ことわざ」は英語で "proverb" です。"saying" と言ったりもします。

※ drowning 「溺れている」

   clutch 「掴む」

   straw 「藁」

 

ちなみに B の英語表現は "Lose a battle to win a war." とか "Lose the battle but win the war."。有名な英辞書でも表現が少し異なっている辺りから察するに英語ではあまり有名なことわざではありません。

 

そしてもし「肉を切らせて骨を断つ」を英語に直訳したら

" Let them cut your skin to cut their bone(s)." と言ったところでしょうか。こちらはまず伝わりません。

 

なぜこれが伝わらないかを考えれば、自ずと英会話上達の鍵が見えてきます。

 

 

アイデア、考え方を「似たような表現」で共有していることで会話が進む

アイデアや考え方を「似たような表現」でお互いが理解し合っていることが話が伝わるかどうかの鍵です!

 

試しにこの英語のことわざの意味を考えてみてください。

"Curiosity killed the cat."

 

文字通りの意味はわかると思います。直訳すると「興味は猫を殺した」。猫さんごめんね。

 

これは一体何を伝えようとしていることわざなのか。日本の似たことわざに置き換えるなら「触らぬ神に祟りなし」です。「え!」って感じですか。

 

 

"Curiosity killed the cat." の意味を英語のことわざ辞典で以下のように説明しています。

Enquiring into others’ work can be dangerous. One should mind own business.

参照:

lemongrad.com

 

"One should mind own business." とは「他人事は気にしないほうがいい」ということ。つまり「触らぬ神に祟りなし」ですね。

 

 

「厄介ごとに首を突っ込まないほうがいい」という考え方は日本語でも英語でもある程度共通の認識です。でもそのアイデアの表現方法はまるで違っています。

 

同じ考え方でも2つの異なる表現方法だとお互いに言いたいことが理解できない。

でも冒頭の「鶏が先か卵が先か」みたいにアイデアも表現方法も一緒だと直訳で英語⇔日本語でも理解できるわけです。

 

「正しい英語」より「間違った」英語の方が伝わる!?

何が正しい英語で、何が間違った英語なのでしょう。日本では文法的に正しいのが正しい英語と見なされがちです。ただこの定義に固執してしまうと、先ほどの「アイデアを似たような表現で共有していることで理解しあえる」ことへの意識が薄れてしまいます。

 

「首を突っ込まない方がいい」と伝えるために "It is better not to touch the God.(触らぬ神に祟りなしの直訳)" と言ったとしましょう。相手は "What do you mean?" とびっくりします。一方 "Curious killed cat." と言ったらどうでしょう。相手は "You're right." となるでしょう。

 

curious は「興味のある」と意味の形容詞です。主語としては不適切です。また cat は「猫肉」の様に食材として考えない限り基本は数えられるので、 a cat もしくは the cat となるはずです。

 

ただしネイティブが実際に理解するのは "Curious killed cat." の方です。文法的に正しくなくとも、 Curious killed cat. に限りなく近い表現 Curiosity killed the cat. を知っているから理解できるのです。

 

 

ことわざの様に文字通りの意味と実際に伝えたい内容が結構違う表現はそこまで多くありません。ただ大切なのは「伝えたいこと」を「似たような表現」で共有していることはじめて伝わることであって、「文法が正しいから伝わるかどうか」はまた別の話です。

 

「 鶏が先か卵が先か」の正しい英語表現を知らなくとも、論理矛盾している状況で "This is like a chicken and an egg thing. (これって鶏と卵のやつだよね)"みたいに言えば伝わる可能性大です。

 

だから文法とか正しい熟語のみにとらわれることなく、まずはざっくりでもいいから色々な言い方を試してみるのも英会話上達につながります!