英語の essence の意味は「本質」、「笑いのエッセンス」など「付け足し」の意味合いのエッセンスは和製英語
英語の essence の意味は「本質」、「本質的なもの」です。そして日本語でよく用いられる「付け足し」の意味合いのエッセンスは実は和製英語です。この意味合いで英会話中にエッセンスを使うと相手はその意味を理解できません。
A: I think we need a little essence of humour in the presentation. 「もう少し本質的な笑いをプレゼンに盛り込むべきだと思う」
B: ???
英語の essence は2つの意味で用いられます。1つ目は「本質」、そして2つ目は「エキス」です。2つ目の「エキス」は、「バニラエッセンス」など日本語でも文字通り使用されています。この使用方法については特段きにすることはないでしょう。
もう1つの「本質」、「本質的なもの」という意味は日本語にはないものです。 essence の類語は core や centre など「〜の中心」を意味する単語で、日本語の「何か他の大切なものへの付け足し物」とは全く反対の意味を持ちます。
Romantic scenes are the essence of drama. 「ロマンチックな場面はドラマには必要不可欠だ」
To make the cheesecake so good, I’m gonna add the vanilla essence. 「チーズケーキをより美味しくするために、バニラエッセンスを加えます」
日本語において、エッセンスは「付け足し」のような趣旨で使用されます。英語の essence にこの意味合いはないので、もしこの「付け足し」の意味合いを英語で表現したいときは、with a little sense of 〜 などを用いましょう。
Your presentation sounds too formal. It should be better with a little sense of humour. 「プレゼンちょっと硬いな。もう少し笑いのエッセンスがあった方がいいよ」
インフォーメーションやコップ、ジャンパーなど現代では多くの英語が日本語に溶け込んでいます。発音はさておき、その多くは実際の英語と同じ意味合いで使われているものが多く、「カタカナ語だから英語としても使えるはず」という直感は間違っていません。毎回カタカナ語を疑ってかかるより、基本的に全て通じるという気持ちで英会話の中でもバンバンと使っていって問題ないでしょう。ただ今回のエッセンスのようにたまに通じないものがあり、通じなかったときにその代わりの表現が思い浮かばずに急に焦ってしまうこともあります。和製英語を片っ端から覚えることももちろん肝要ですが、その一方で「通じないこともある」というマインドを持っておくことも、ひいてはスピーキング能力の向上に一役買うでしょう。