流行語、流行り言葉の落とし穴 - 「それ、ネイティブの一部しかわからないよ?」
流行りの言葉って使ってみたくなりませんか。なんかイカした若者とか好きなアーティストとかが使ってたら尚更です。使いこなせればかっこいいですよね。
ただ1つ注意点があります。それは
「そういう表現ってネイティブの一部しか理解できないよ」
ってことです。すごく分かりやすい例をあげるなら「マジ卍」っていっても日本語学習中の外国人はおろか、日本人にも意味は結構伝わらないでしょう、というところでしょうか。
直接的な表現と比喩的な表現
流行り言葉は大きく直接的な表現と、比喩的なものの2つに分けられます。
例えば冒頭の「マジ卍」は言葉からは意味が全く想像つきません。つまり比喩的です。一方で「パリピ」は「パーティーピーポー」の省略形だと想像つかなくもない、つまり直接的です。
※以下参照
日本語同様、ある程度直接的な表現であれば、文脈から大体の意味は想像がつきますが、比喩的だと理解できないケースが多々あります。
直接的な表現の例 'on point'
スラング的に on point は「めちゃいい、イカした」の様な意味で用いられます。
英語ネイティブはもちろん、第2言語として英語が堪能に話せる人も on と point の意味は確実に分かります。なので「的を射ている」様な意味なんだろうなと推測できます。
こういった類の流行り表現は少なくともネイティブや英語上級者には通じることでしょう。
比喩的な表現の例 'flex'
flex の元々の意味は「曲げる」です。 flexible 「柔軟な」の動詞形。ただスラング的に flex は「見せびらかす」という意味で用いられています。
こちらは元々の意味からの乖離が激しく、「見せびらかす」という意味での使われ方を知っていないとまあ理解に苦しむでしょう。
※残念ながら、日本社会のおける「マジ卍」の広まり方と英語圏全体での 'flex' の広まり方度合いまでは知らないです。
一番のポイントは「流行り言葉ってみんなが知ってるわけじゃないよ」ということです。ましてや世界の公用語(になりつつある?)英語はネイティブから第二言語として英語を使う人、その中でも上級者から初心者まで非常に幅広くのレベルの人に使われています。
ある流行りの言葉を理解できる人はネイティブの一定層+上級者の一部+その流行り言葉を好きなアーティストとかのインタビューでたまたま見かけて覚えた人、くらいなものです。
「マジ卍」を覚えるのは全然問題ありません。むしろ英語とか外国語なんて楽しくなければ基本やっていられないし、好きなタレントとかが使ってたら自然と使いたくなるものです。
ただしちょっとだけ意識しておいて欲しいのは、「流行り言葉」と言うくらいなので、ずっと使われてきた言葉ではないし、その言葉が流行っている界隈の外では割と「何それ?」みたいな反応の人も多いということです。